昨年度に引き続き、ウェブフォーラムを開催しました。
今年度は日本認知症本人ワーキンググループの表明する「認知症とともに生きる希望宣言」を軸に、当事者の方3名にお話しをお聞きしました。
オープニング(導入)
県福祉保健部高齢者福祉課長 阿部剛から開催挨拶を行いました。
また、コーディネーターの大分県医師会 常任理事 井上雅公先生、大分大学医学部看護学科 教授 三重野英子先生からフォーラムの趣旨、「認知症とともに生きる希望宣言」の概要などについて説明がありました。
発表1 認知症になっても大丈夫!~そんな社会を創っていこうよ~
藤田 和子 さん
(一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ 代表理事)
国の希望大使、鳥取市の希望大使を務めている藤田和子さんに、鳥取市からオンラインで繋ぎ、「認知症とともに生きる希望宣言」についてお話いただきました。
希望宣言は今認知症とともに生きる人たちにも、そして、これから認知症になる人たちにもふれてもらうことによって、``認知症とともに生きる``という決意と覚悟を持って生きていくその助けになるといい。そして、認知症になっても誰もが希望と尊厳をもって暮らせるような社会を創っていきたい、という藤田さんからの温かいキーワードが散りばめられています。
発表2 私とピアサポート活動
戸上 守 さん
(なでしこガーデンデイサービス)
診断後、なでしこガーデンでリハビリやピアサポート活動を続けている戸上守さんのお話です。
3年間続けてきた活動は、現在もその幅を広げており、毎日いろいろなことに取り組んでいる様子を普段と変わらない明るい姿で楽しく発表してくださいました。
発表3 自分らしくいきいきと暮らしていくために必要なこと
寺野 清美 さん
(グループホーム花・花)
日田市女子会のご友人
日田市からオンラインで繋ぎ、寺野清美さんとご友人の吉田さんにご参加いただきました。
お2人には、認知症の診断を受けたあと友達に認知症を告白したときの気持ちや、その時の友人側の気持ち、そして現在の交流についてお話いただきました。お2人の仲の良さが伝わる映像です。
まとめ
コーディネーターの井上先生と三重野先生、パネリストの方々とのディスカッションでは、「楽しく過ごしている姿を発信することに、どんな意味があるのか?」「ピアサポートをするときにどんなことを大切にしているか?」といったことについて話題にあがりました。
・本人同士が出会い、つながり、その関わりを通じて、「今起きている変化から目をそらさずに前を向いていく」という気持ちが作られているのではないか
・これまでは困りごとをどう対応するか、どう解決するかという方向だったが、これからは本人の身体の中で起きていることや感じていること、日々の工夫を教えてもらいながら、一緒にできること、やりたいことに取り組んでいく、そしてその姿を発信する
といった、今後の取り組みに関する貴重なご意見がありました。
また、最後にフォーラムの実行委員長である古川信房先生からみなさまへ「認知症になっても楽しい世界が待っていると感じた。希望をもって暮らせる地域づくりを行っていきたい。認知症になったからこそできることもたくさんあり、そこを一緒に探していきたい」とご挨拶をいただきました。