2021年11月3日、昨年に引き続き認知症ご本人丹野智文氏を大分市にお招きし、講演会を行っていただきました。

タイトルは「認知症の私から見える社会」です。

講演と質疑応答の様子を録画した動画を掲載しますので、ぜひご覧ください。

 

丹野智文氏 プロフィール

   1974年宮城県生まれ。ネッツトヨタ仙台に勤務。

   39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断される。

    診断後は営業職から事務職へ異動して勤務を続けながら、「おれんじドア」の実行委員会代表を      務め、自らの経験を語る活動を続けています。

    令和元年度からは認知症本人大使「希望大使」として活躍中です。

 

講演

「おかしいな…」と違和感を感じ始めた頃から若年性アルツハイマーと診断されるまでのお話。
「アルツハイマー=終わり」と感じ、不安で押しつぶされそうな中、明るく元気に活動している認知症の当事者と出会い、前向きになることができたそうです。
「認知症を悔やむのではなく、認知症とともに生きる道」家族と過ごす時間が増えた、たくさんの人の優しさに触れることができた。
何もできなくなるわけではない。できることを奪わないで、待ってあげてほしい、次はできるかもしれないと信じてほしい。
自信をもつことが大事。そのためには``失敗しても大丈夫``な環境が大事。
本当の自立とは「自分の意見をはっきり言って」「自分で決めること」「できないことはできないと周りにいえること」
認知症も人それぞれ。病名から人を見るのではなく、目の前の人を見るようにする。

認知症になっても新しく人生をつくっていける。

元気に活動することで、「本当に認知症なのか」「診断間違いでは」というような疑問をうけることもある。
今「認知症になったからこそできる仕事」をしている。これからも笑顔で頑張っていきたい。

質疑応答

丹野さんの明朗な口調や、前向きでユニークかつ思いの詰まった助言に、会場が笑顔と明るい雰囲気に包まれました。

質疑応答では、以下の質問にご助言いただきました。
・若年性認知症を患っていると知ってから、その現実を受け入れるまで、どのくらいの期間がかかりましたか。
・支援者は本人に「困っていることはないですか?」と質問してしまいますが、どうすればもっと本人の希望を聞けますか。
・現在、どのような治療を続けられていますか。
・講演会を行うことは、自身の病気の進行に何か影響を感じますか。
・自分自身の中の病気への偏見を取り除けたきっかけはありますか。
・すごくおしゃれですが、自分で「こんな服が着たいな」と思って、ご自身で買い物をされたりするのですか。
・本人さんが自分を「ばかになった」という言葉をよく聞くのですが、丹野さんならどんな声を掛けますか。
・父親が病院嫌いでなかなか受診してくれない。妄想などの症状が出ているので、どうしたらいいでしょうか。
・父親が認知症だが、自分以外の家族が父親の認知症を受け入れられず不穏な空気が漂っており、どう対処すべきか悩んでいます。
・オレンジドアの活動の中で、本人たちが道に迷いながらも主体的に参加しているという話があったが、そのように本人たちが行動するようになった経緯や具体的な取り組み方を教えてほしい。